「歯が痛くなったら歯医者に行く」という考え方から、「痛くなる前に通って、健康な歯を守る」という考え方へ――。近年、予防歯科の重要性が広く認識されるようになってきました。
私たち歯科衛生士が毎日の診療で感じるのは、定期的にメンテナンスに通われている患者さまほど、お口の健康を長く保てているということです。虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。痛みが出た時にはすでに進行していることが多く、治療に時間も費用もかかってしまいます。
厚生労働省の調査によると、80歳で20本以上の歯を保っている方の多くが、定期的な歯科メンテナンスを受けていることが明らかになっています[1]。予防歯科は、生涯にわたって自分の歯で食事を楽しむための、最も確実な方法なのです。
あい歯科クリニック高尾では、患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせた予防プログラムをご提案しています。この記事では、当院の予防歯科で行う具体的な診療内容、定期メンテナンスの流れ、通院頻度や費用について、詳しくご説明します。
「歯医者は苦手」「何をされるか不安」という方も、予防歯科の内容を知っていただくことで、安心してお越しいただけると思います。あなたとあなたのご家族の大切な歯を守るために、ぜひ最後までお読みください。
当院の予防歯科で行う4つの診療内容
予防歯科と聞いて、「具体的に何をするの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。当院では、患者さまのお口の健康を守るために、4つの柱となる診療内容をご用意しています。
プロフェッショナルクリーニング(PMTC)で歯垢・歯石を徹底除去
毎日どんなに丁寧に歯磨きをしていても、歯ブラシだけでは落としきれない汚れがあります。特に歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯の溝などは、磨き残しが溜まりやすい場所です。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科衛生士が専用の器具を使って行う、プロフェッショナルな歯のクリーニングのことです。私たちは、患者さまのお口の状態を細かくチェックしながら、次のような手順でクリーニングを行います。
まず、超音波スケーラーという機器を使って、歯の表面や歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)に付着した歯石を丁寧に除去します。歯石は細菌の塊が石灰化したもので、歯ブラシでは絶対に取れません。この歯石を放置すると、歯周病の原因になってしまいます。
次に、専用のペーストと回転ブラシを使って、歯の表面を磨き上げます。この時、コーヒーや紅茶、タバコなどによる着色汚れ(ステイン)も同時に除去できます。さらに、エアフローという機器を使って、細かな粒子を吹き付けることで、より徹底的に汚れを落としていきます。
最後に、歯の表面をツルツルに磨き上げることで、汚れが再付着しにくい状態に仕上げます。施術後は、お口の中がすっきりして、舌で触ると歯の表面のつるつる感を実感していただけるはずです。
定期検診による早期発見・早期対応
「痛くないから大丈夫」と思っていても、虫歯や歯周病は静かに進行していることがあります。定期検診の最大のメリットは、問題を早期に発見できることです。
当院の定期検診では、まず視診でお口の中全体をチェックします。虫歯がないか、歯ぐきの状態はどうか、詰め物や被せ物に問題はないかなど、細かく確認していきます。
さらに、歯周ポケットの深さを測定する検査も行います。健康な歯ぐきの歯周ポケットは1〜2mm程度ですが、歯周病が進行すると3mm以上になります。この数値を記録することで、歯周病の進行度を正確に把握し、適切な予防処置を行うことができます。
必要に応じて、レントゲン撮影も行います。レントゲンでは、目では見えない歯の根の状態や、歯と歯の間の虫歯、顎の骨の状態などを確認できます。特に歯と歯の間の初期虫歯は、レントゲンでなければ発見できないことが多いんです。
日本歯周病学会のデータによると、定期的に検診を受けている方は、受けていない方に比べて、歯を失うリスクが大幅に低いことが報告されています[2]。早期発見・早期治療は、歯を長持ちさせる鍵なのです。
個別のブラッシング指導とセルフケアサポート
どんなに歯科医院で丁寧にクリーニングをしても、毎日のご自宅でのケアが不十分では、お口の健康は守れません。予防歯科の成功には、プロフェッショナルケアとセルフケアの両輪が必要です。
当院では、患者さま一人ひとりのお口の状態、歯並び、磨き癖などを把握した上で、最適なブラッシング方法を歯科衛生士がマンツーマンで指導します。
「毎日磨いているのに虫歯になる」という方の多くは、磨いているつもりでも、実際には磨けていない部分があります。私たちは、染め出し液を使って磨き残しを可視化し、どこが磨けていないのかを一緒に確認します。そして、その部分を効果的に磨くための、あなたに合った歯ブラシの角度や動かし方をお伝えします。
また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方もご指導します。実は、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは約60%しか落とせないと言われています。フロスを併用することで、約80%まで除去率が上がります[3]。
「フロスの使い方がよくわからない」という声をよく聞きます。当院では、実際に鏡を見ながら、正しいフロスの通し方を練習していただきます。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば毎日の習慣として続けられますよ。
さらに、患者さまのライフスタイルに合わせた口腔ケア用品の選び方もアドバイスします。歯ブラシの硬さ、歯磨き粉の選び方、マウスウォッシュの使用方法など、お口の状態に合わせた最適なケア用品をご提案します。
虫歯予防処置(フッ素塗布・シーラント)
お子さまの歯を虫歯から守るために、当院では予防処置として、フッ素塗布とシーラントを積極的に行っています。もちろん、大人の方にもフッ素塗布は効果的です。
フッ素は、歯の表面のエナメル質を強化し、虫歯菌が作り出す酸に対する抵抗力を高める働きがあります。また、初期虫歯であれば、フッ素によって再石灰化(修復)を促進することも可能です。
当院では、高濃度のフッ素を歯の表面に塗布する処置を行っています。定期的にフッ素塗布を受けることで、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。特にお子さまの場合、乳歯から永久歯への生え替わりの時期は、虫歯になりやすい時期です。この時期にフッ素塗布を定期的に受けることで、丈夫な永久歯を育てることができます。
なお、当院では大人の方へのフッ素塗布も、定期検診の際にご希望があれば無料のサービスとして対応しております。お気軽にお申し付けください。
シーラントは、奥歯の噛む面にある細かい溝を、歯科用のプラスチックで埋める処置です。奥歯の溝は非常に細かく深いため、歯ブラシの毛先が届きにくく、虫歯になりやすい場所です。この溝をあらかじめ埋めておくことで、食べかすや細菌が入り込むのを防ぎ、虫歯を予防します。
シーラントは、歯を削ることなく行える処置で、痛みもありません。生えたばかりの永久歯に行うことで、高い予防効果が期待できます。ただし、シーラントは永久的なものではないため、定期検診で状態をチェックし、必要に応じて再処置を行います。
予防歯科は、これら4つの診療内容を組み合わせることで、総合的にお口の健康を守ります。患者さまのお口の状態や年齢、ライフスタイルに応じて、最適な予防プログラムをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
定期メンテナンスの流れ|初回から3ヶ月後まで
「予防歯科に通ってみたいけれど、実際にどんなことをするのか不安」という方のために、当院の定期メンテナンスの具体的な流れをご説明します。初めて来院される方から、継続的にメンテナンスを受けている方まで、それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
初回:現状把握とリスク評価
初めて当院の予防歯科を受診される方には、まずお口の現状をしっかりと把握することから始めます。これは、あなたに最適な予防プログラムを作るための、大切な第一歩です。
受付後、問診票にご記入いただきます。これまでの歯科治療歴、現在気になっていること、全身の健康状態、服用中のお薬などをお伺いします。全身の健康状態は、お口の健康と密接に関係していますので、遠慮なくお書きください。
診療室では、まず歯科医師がお口の中全体を詳しく診察します。虫歯の有無、歯ぐきの状態、噛み合わせ、詰め物や被せ物の状態などを一本一本チェックしていきます。
次に、レントゲン撮影を行います。当院では、被曝量の少ないデジタルレントゲンを使用していますので、安心してください。レントゲン画像では、目では見えない歯の根の状態、顎の骨の状態、歯と歯の間の虫歯などを確認できます。
歯科衛生士による歯周病検査も行います。プローブという器具を使って、すべての歯の歯周ポケットの深さを測定します。「チクチクして苦手」という方もいらっしゃいますが、現在の歯周病の状態を正確に把握するために必要な検査です。できるだけ痛みを感じないよう、優しく丁寧に行いますので、ご安心ください。
これらの検査結果をもとに、あなたの虫歯リスク、歯周病リスクを評価します。リスクが高い部位や、今後注意が必要な点などを、わかりやすくご説明します。
もし、治療が必要な虫歯や歯周病が見つかった場合は、まず治療を優先します。お口の中に問題がある状態では、予防処置の効果も十分に発揮できないからです。治療が完了してから、本格的な予防メンテナンスに移行します。
治療の必要がない、または治療が完了した方には、初回のクリーニングを行います。歯石除去、着色除去、歯面研磨など、お口の状態に合わせた処置を行います。そして、次回のメンテナンス時期をご提案します。
初回の診察時間は、検査内容にもよりますが、60分程度を目安にお考えください。じっくりと時間をかけて、あなたのお口の健康状態を把握することが、効果的な予防につながります。
2回目(1〜3ヶ月後):本格的なメンテナンス開始
初回から1〜3ヶ月後、2回目のメンテナンスにお越しいただきます。この間隔は、初回の検査結果とリスク評価に基づいて、個別に設定します。
2回目の来院では、まず前回からの変化をチェックします。「新しい虫歯ができていないか」「歯ぐきの状態は改善しているか」「前回お伝えしたブラッシング方法を実践できているか」などを確認します。
染め出し液を使って、磨き残しのチェックも行います。赤く染まった部分が、磨けていない部分です。「こんなに磨き残しがあるんですね」と驚かれる方も多いのですが、これは決して恥ずかしいことではありません。誰にでも磨きにくい部分はありますし、それを知ることが上達への第一歩です。
磨き残しが多い部分については、なぜそこが磨きにくいのか、どうすれば効果的に磨けるのかを、一緒に考えながらアドバイスします。歯並びの状態、歯ブラシの持ち方、動かし方など、一人ひとり最適な方法は違います。
その後、本格的なPMTCを行います。超音波スケーラーで歯石を除去し、専用のペーストとカップで歯の表面を磨き、フロスで歯と歯の間の汚れも取り除きます。最後にフッ素を塗布して、歯質を強化します。
この時点で、「家での歯磨きはこれでいいのかな」「フロスがうまく使えない」など、セルフケアに関する疑問や不安があれば、遠慮なくお聞かせください。私たち歯科衛生士が、丁寧にお答えします。
施術後は、次回のメンテナンス予約をお取りします。継続的に通うことで、より効果的な予防効果が得られますので、ぜひ定期的な受診をお勧めします。
3回目以降:継続メンテナンスで健康維持
3回目以降は、定期的なメンテナンスのサイクルに入ります。通常、3〜6ヶ月ごとの来院をお勧めしていますが、お口の状態によって最適な間隔は異なります。
継続してメンテナンスに通っていただくことで、私たちはあなたのお口の小さな変化にも気づくことができます。「この部分、前回より少し歯ぐきが腫れているかも」「最近、磨き残しが増えているかな」といった変化を早期に発見し、対応することができるのです。
毎回のメンテナンスでは、前回からの変化をチェックし、必要に応じて検査を追加します。年に1回程度は、レントゲン撮影や詳細な歯周病検査を行い、お口の健康状態を総合的に評価します。
長く通っていただいている患者さまからは、「風邪をひかなくなった」「体調が良くなった」という声もいただきます。お口の健康は、全身の健康とつながっています。口腔内の細菌が減ることで、誤嚥性肺炎や心疾患などのリスクも下がることが、研究でわかってきています[4]。
また、定期的に通うことで、私たち歯科衛生士との信頼関係も深まります。お口のことだけでなく、体調の変化や生活習慣の変化なども気軽にお話しください。例えば、「最近、口が渇きやすい」という症状は、服用している薬の副作用かもしれませんし、「朝起きると顎が痛い」という症状は、歯ぎしりや食いしばりのサインかもしれません。
私たちは、あなたのお口の健康を長期的にサポートするパートナーです。どんな小さなことでも、気になることがあれば、ぜひ教えてくださいね。
定期メンテナンスは、一生涯続けていただきたいものです。80歳、90歳になっても、自分の歯で美味しく食事ができる――そんな未来のために、今から始めてみませんか?
予防歯科の通院頻度と費用について
予防歯科を始めるにあたって、多くの方が気になるのが「どのくらいの頻度で通えばいいの?」「費用はどのくらいかかるの?」という点ですよね。ここでは、通院頻度と費用について、詳しくご説明します。
推奨される通院頻度と個別化の考え方
一般的に、予防歯科のメンテナンスは3〜6ヶ月に1回の頻度が推奨されています。これは、歯石が再び付着し始めるのがおよそ3ヶ月程度と言われているためです。
ただし、最適な通院頻度は、お口の状態によって大きく異なります。当院では、次のような要因を総合的に判断して、患者さまごとに最適な通院間隔をご提案しています。
歯周病のリスクが高い方、すでに歯周病の治療歴がある方は、より頻繁なメンテナンスが必要です。歯周ポケットが深い方、歯ぐきからの出血がある方などは、2〜3ヶ月に1回の通院をお勧めします。歯周病は再発しやすい病気ですので、継続的な管理が重要です。
虫歯になりやすい方、過去に虫歯の治療を何度も受けている方も、短い間隔でのメンテナンスが効果的です。また、唾液の分泌量が少ない方、甘いものをよく食べる方なども、虫歯リスクが高いため、3ヶ月ごとの通院が理想的です。
逆に、お口の状態が良好で、セルフケアもしっかりできている方は、6ヶ月に1回のメンテナンスでも十分な場合があります。ただし、定期検診だけは必ず受けていただくことをお勧めします。
妊娠中の方は、ホルモンバランスの変化により、歯ぐきが腫れやすくなります(妊娠性歯肉炎)。安定期に入ったら、ぜひ一度メンテナンスにお越しください。出産前に口腔内を清潔にしておくことは、母子の健康のためにも大切です。
お子さまの場合は、虫歯になりやすい時期(生え替わりの時期など)は3ヶ月ごと、それ以外は4〜6ヶ月ごとが目安です。ただし、虫歯リスクが高いお子さまは、より短い間隔でフッ素塗布を受けることをお勧めします。
「忙しくて定期的に通えるか不安」という方もいらっしゃるでしょう。でも、考えてみてください。虫歯や歯周病になってしまうと、何度も治療に通わなければならず、時間も費用もかかります。予防のための定期メンテナンスは、年に数回、1回30〜60分程度です。長期的に見れば、予防の方がずっと効率的で、経済的なんです。
当院では、患者さまのライフスタイルに合わせて、通いやすい時間帯や曜日で予約をお取りします。また、次回の予約をあらかじめ取っておくことで、うっかり忘れてしまうことも防げます。予約日が近づいたら、リマインドのご連絡もしていますので、安心してください。
保険適用と自費診療の違い・料金の目安
予防歯科の費用について、「保険は使えるの?」という質問をよくいただきます。結論から言うと、予防歯科の内容によって、保険適用になるものと、自費診療になるものがあります。
保険適用で受けられる予防処置としては、歯周病の治療の一環としての歯石除去や、お子さまへのフッ素塗布(一定の条件下)などがあります。定期検診も、3ヶ月以上間隔を空ければ、保険適用で受けることができます。
保険適用の定期メンテナンスでは、歯周病検査、歯石除去(スケーリング)、ブラッシング指導などが含まれます。初めてご来院いただいた際は、初診料や各種検査が加わるため3割負担の方で約3,000〜4,000円、2回目以降の定期メンテナンスは1回あたり約2,000〜3,000円が目安です。
ただし、保険診療には国の制度による細かいルール(制限)があります。例えば歯石除去(スケーリング)の場合、保険の算定ルール上、原則としてお口の中を数ブロックに分けて複数回で処置を行う決まりになっています。そのため、1回の来院ですべての歯をクリーニングしきれず、何度か通院していただく必要があります。また、使用できる材料や処置内容にも制約があります。
一方、自費診療のPMTC(プロフェッショナルクリーニング)は、保険診療よりも時間をかけて、より徹底的なクリーニングを行うことができる予防メニューです。専用のペーストやエアフローを使った着色除去、歯面のポリッシング、高濃度フッ素の塗布など、より質の高い予防処置を受けられます。自費PMTCの料金は、クリニックによって異なりますが、一般的には1回あたり8,000〜12,000円程度が相場です。
なお、当院では現在、歯科衛生士枠での自費メニュー(自費PMTC・サリバテスト等)は基本的に提供しておりません。保険診療の範囲で、丁寧にメンテナンスを行っています。大人の方へのフッ素塗布については、定期検診時にご希望があれば無料のサービスとして対応しておりますので、お気軽にお申し付けください。
実際、香川県歯科医師会が行った実態調査では、「定期的な歯科健診を受けている人ほど、受けていない人に比べて年間の総医療費が安くなる」という明確な結果が出ています。さらに、歯の本数が20本以上ある人に比べ、0〜4本しか残っていない人は、年間の総医療費(医科+歯科)が約19万円も高くなることが分かっています[5]。虫歯1本を治療する費用や、歯を失った場合の高額な治療費(インプラントや入れ歯など)、さらには全身の病気の治療費までを考えると、予防にかける費用は決して高くありません。予防は、長期的に見れば最もコストパフォーマンスが高い投資なのです。
また、お子さまの虫歯予防処置(フッ素塗布やシーラント)は、条件を満たせば保険適用になることが多いです。お子さまの歯を守るための予防処置は、ぜひ積極的に受けていただきたいと思います。
費用についてご不安な点があれば、治療前に必ずご説明しますので、遠慮なくお尋ねください。お支払い方法についても、各種クレジットカードに対応していますので、ご相談ください。
予防歯科を続けることで得られる長期的なメリット
予防歯科は、短期的な視点ではなく、長期的な視点で考えることが大切です。定期的にメンテナンスに通うことで、どのようなメリットが得られるのか、改めて整理してみましょう。
まず、最も大きなメリットは、虫歯や歯周病を予防できることです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これは本当に大きな価値があります。虫歯で歯を削れば、その歯は元には戻りません。一度治療した歯は、再び虫歯になるリスクが高くなります。歯周病で失われた顎の骨も、完全には元に戻りません。
予防によって、天然の歯を長く保つことができれば、一生涯、自分の歯で食事を楽しむことができます。80歳で20本以上の歯を保っている方(8020達成者)は、そうでない方に比べて、食べられる食品の種類が多く、QOL(生活の質)が高いことが報告されています[1]。
次に、医療費の節約になります。虫歯や歯周病の治療には、時間もお金もかかります。特に、歯を失ってしまった場合、インプラントやブリッジ、入れ歯などの治療が必要になり、数十万円の費用がかかることもあります。予防にかける費用は、治療にかける費用に比べれば、はるかに少なくて済みます。
また、予防歯科は全身の健康維持にもつながります。近年の研究で、歯周病と糖尿病、心疾患、脳梗塞、誤嚥性肺炎などの全身疾患との関連が明らかになってきています。口腔内を清潔に保つことで、これらの病気のリスクを下げることができるのです。
特に高齢者の方にとって、お口の健康は命に関わる問題です。口腔内の細菌が肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎は、高齢者の死亡原因の上位に入ります。定期的な口腔ケアによって、この予防にもつながります。
さらに、見た目の美しさを保つこともできます。定期的なクリーニングで着色を除去することで、白く輝く歯を維持できます。歯ぐきの健康も保たれるため、笑顔に自信が持てます。清潔な口元は、あなたの印象を大きく左右します。
そして、何より「安心感」が得られます。定期的にプロのチェックを受けていれば、「もしかして虫歯があるかも」「歯ぐきが腫れているけど大丈夫かな」といった不安から解放されます。問題があっても早期に発見できるという安心感は、心の健康にもつながります。
予防歯科は、未来への投資です。今、少しの時間とお金を投資することで、将来の大きな負担を避けることができます。ぜひ、今日から予防歯科を始めてみませんか?
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。当院の予防歯科では、専門の歯科衛生士が患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせて、丁寧にメンテナンスを行います。定期的なクリーニング、検診、ブラッシング指導を通じて、虫歯・歯周病を予防し、生涯にわたって健康な歯を守るお手伝いをさせていただきます。
あい歯科クリニック高尾で予防歯科を始めませんか?お口の健康診断とクリーニングのご予約を承っております。
初めての方も安心してお越しください。「歯医者は苦手」「何をされるか不安」という方も、まずはお口の状態をチェックするだけでも構いません。私たち歯科衛生士が、あなたのお口の健康を守るパートナーとして、丁寧にサポートいたします。スタッフ一同、皆さまのご来院を心よりお待ちしております。
参考文献
- 厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33814.html(2026年3月閲覧)
- 日本歯周病学会「歯周病とは? | 歯周病Q&A」https://www.perio.jp/qa/disease/(2026年3月閲覧)
- 日本歯科医師会 テーマパーク8020「歯間部清掃」https://www.jda.or.jp/park/prevent/index03.html(2026年3月閲覧)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-006.html(2026年3月閲覧)
- 香川県歯科医師会「歯の本数で、お医者さんにかかるお金に差があるって、本当?(PDF)」PDFを開く(2026年3月閲覧)

